今回は、昨年4月に鴻巣まきば園に就職した看護サービス課の近平さんにお話を伺いました。介護職と看護助手の仕事を経験され介護福祉士を取得後、50代で准看護師となった近平さんの素顔に迫ります。

 

以前は介護のお仕事をされていたのですね。

はい。千葉に住んでいたころ、40代で初めて介護の仕事に挑戦しました。病院での看護助手やグループホームの夜勤など、アルバイトを掛け持ちしていたんです。4人の子供の子育てのためにお金を稼がなくてはいけないというのもありましたが、誰かの力になれる仕事に憧れがあったというのも介護職を始めるきっかけでした。
その中で、身体がどういう状況でこうなるのか、その人にとっての必要なケア、一番合うケアは何だろう、と考えるようになりました。介護・看護、どちらか一方の目線だけだと物足りなかったんですね。疑問が増えた時に、もっと専門的にいろいろなことを理解していきたいと、看護師を目指すようになりました。でも、Wワークと子育ての中、看護師へ挑戦することはなかなか難しかったです。諦めなければと思っていたところ、いろいろなご縁があり鴻巣に引っ越すこととなり、51歳で准看護師の学校に合格することができました。

 

准看護師の資格を取得してすぐ鴻巣まきば園へ就職されたのでしょうか。

資格取得後に父の看取りを経験し、その後鴻巣まきば園に就職しました。園内の写真を見て、イベントの規模の大きさにびっくりしました。特に旅行ですね。海外まで行ってしまうのはすごいと思いました。年を重ねた時に家族と旅行に行きたいと思っても状況によっては行けないこともあります。でもまきば園なら行けるというのは、お客様にとって生きる活力になるんじゃないでしょうか。楽しいことがあると思うと気持ちから変わってきて、笑顔も出てくる。未来が楽しみになるという気持ちが持てるところが、今までと違う施設だなぁと感じました。
ただ、自分には病院での看護経験がないので、自分が看護師としてちゃんと仕事ができるのかっていう不安は大きかったです。「不安だ不安だ」と話していたら園長が「まずは介護職で働いてみますか」と提案してくださったのですが、「いえ、せっかく資格を取ったので看護師として働かせてください」と宣言してしまいました。
今は、まわりのスタッフにひとつひとつ教えてもらいながら頑張っています。介護施設は病院と違って、何かあった時に自分自身が判断をしていかなければなりません。毎日検温する中で、お客様の「いつもと違うこと」に気づけるように、様子を見たり会話をしたりしています。
ミスをしてとっても落ち込むこともあるのですが、そのミスを引きずらないように、あえて失敗した業務に積極的に入り先輩に見てもらうようにしています。わからない病気があれば家に持ち帰って本を読んだり、嘔吐、熱発、むくみがあるお客様が多いと、もう一度原点に戻って自分なりに勉強して頭を整理していています。看護師と日々勉強です。鴻巣まきば園の看護観を受け継がなくてはいけないですし、勉強はずっと続けていきたいです。

 

お仕事のこだわりを教えてください。

看取りケアでは、お客様の状態が少しずつ変化していく中で、苦痛がないようにサポートできたらと思っています。寝ている体制を楽にしたり、髪の毛やお顔やお洋服をきれいにしたり、水分の取れないお客様のお口を湿らせたり、そういうところに気づけるように心がけています。
ご家族様にも、お客様の日々の変化を伝えることが大切です。私たちは看護職として終末期の変化を習ってきていますが、医療福祉関係じゃない方は理解できない人も多いです。例えばお客様が肩呼吸をされている時は一見苦しそうに見えます。可哀想と思われるかもしれないけれど、ご本人にとっては身体が一番楽な呼吸を自然としているということなど、言葉の選び方、声のトーンも意識しながら、ご家族様が少しでも安心できるようにお伝えしたいと思っています。
介護スタッフと協力しながら、看護サービス課のチームワークを活かしてお客様を看ていきたいです。今後も勉強を重ね、的確な判断ができるように努力を続けていきます。

 

 

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この記事は2021年10月発行の「まきばNEWS 10号」より転載しています。