法人内でAI活用を牽引し、埼玉県の研究大会でも優秀賞を受賞した根岸さん。今回は「生成AI」をテーマに、導入のきっかけから、現場・組織・私生活への影響までお話を伺いました。
AIを使い始めたきっかけを教えてください。
使い始めて、だいたい2年くらいになります。きっかけ自体はシンプルで、当時、連日のようにニュースでAIが取り上げられていたからです。実際に使ってみたら、正直「これは便利だな」と。
法人内でもデスクワークは量も多いし、非効率な処理も多い。一方で時間は限られている。だったら、自分だけでなく、他のスタッフにも拡張できるといいな、という発想になり、隼人会でどのように活用できるのか考えるようになりました。
AIを仕事で活用する上で大変だったことはありましたか?
あまり「大変」と感じたことはないですね。AIを使えば効率は確実に上がります。ただ、AIの出す情報が正しいかどうかを見抜く力や、使いこなすには慣れは必要ですね。慣れるには、それなりに「使う量」が必要だと思います。
とはいえ、今のところ「AIを多くのスタッフに無理に使わせる」ことは目的にしていません。使える人が、使える範囲で、便利に使えればいい。それくらいが、今の目安です。
生活にAIを導入して、明らかに変わったと感じる点は?
一番大きいのは、思考の言語化、ブレインストーミング、壁打ち、計画化のスピードアップですね。これは圧倒的に上がりました。文章作成や書類作成のスピードも同じです。自分の役割は、最終的に形にすること、調整すること。AIと人間の分業ができるようになったのは、本当に大きいです。「頭の中にはあるけど、いつかやりたいな」で終わっていたことが、実際に動き出せるようになりました。
例えばプライベートでは、エンディングノート。作りたいけど作れなかったものが作れて、しかも更新までできています。ほんの一例ですが、生活そのものにも影響しています。
研究大会に取り組まれた理由を教えてください。
機会があれば、関東ブロックや全国で事例を紹介して、もっと広く伝えていきたいという気持ちがありました。広めるには、やはり「露出」が必要です。過去に全国大会レベルで評価されている研究がどんなものかもAIでリサーチしました。発表をひとつの研究に昇華させ、クオリティを上げるためにもAIをかなり使いました。
また、法人内で研究大会の試みを始めたのも、とても良い機会だと感じています。組織内外の横のつながりが生まれますし、本来、私たちの仕事はPDCAで磨いていくもの。振り返りが弱くなりがちな部分を、こうした場が補ってくれると思います。結果として、ケアの質が上がり、効果の高い取り組みの再現性も高まると感じています。
今後、まきば園でAIをどう使っていきたいですか?
用途は、発想の数だけあります。長期的には、法人の規程やナレッジ、書式などを集約して、スタッフに仕事の案内ができる「法人の脳」のようなものを作ってみたいです。短期・中期でも、いろいろ構想はあります。それらは、形にしながら、少しずつ公開していきたいですね。
AIは人から仕事を奪うものではなく、社会全体で見ると「労働力の再分配」という印象です。使えるかどうかはQOL(生活の質)にも大きく影響します。
私自身がAIを使って、便利なツールをいくつか作っていますし、今後も作る予定です。そうしたAI活用を通じて、スタッフの労働や家族時間の在り方が変わり、より意義のある時間の使い方につながれば嬉しいです。
私生活でもAIを活用されていますね。
考えること自体は、いつも考えています。プライベートのことはプライベート用のAIを使うなど、使い分けもしています。歯医者の待ち時間や、10分前後のスキマ時間で、課題整理や情報収集、タスク作成・管理をしています。子どもと作る工作のアイデアを考えたり。もう、公私問わず欠かせない相棒です。
その延長で、業界団体でAI講師の機会をいただくことも増えてきました。今後も、この分野は頑張っていきたいと思っています。
根岸さん、貴重なお話ありがとうございました!
この記事は2026年1月発行の「まきばNEWS 27号」より転載しています。




