高校卒業後一年間フリーターになり、その後サンシャインビジネス社会福祉専門学校に入学。介護福祉士を取得して卒業後、他法人に就職し15年以上キャリアを積んだ江原さん。鴻巣まきば園開園とともに転職を決意され、室長(取材当時)として活躍する江原さんの素顔にせまります。

 

介護現場から相談員になることに抵抗はありませんでしたか?

最初から、絶対に相談員になるぞ、と思っていました。ずっと現場で頑張っていくのは体力的にも難しそうだったし、相談員になった方がお客様のことを深く知ることができるんじゃないかと感じたんです。相談員の仕事には、現場での介護経験がすごく役立っています。表面上ではなく、お客様の裏の部分まで推測できるようになるし、現場の環境を理解できるから、起こしたくて起こしてるわけじゃない事故についても理解できる。

もちろん現場も面白かったんですけど、自分は夜勤が苦手だったんですよね。眠いし疲れるし、体調もうまく管理できなくて、この世で自分が一番不幸なんじゃないかって思ってました。終わったら爽快感があるんですけど(笑)

 

前職場でキャリアを積んだ上での転職ですね。

はい。13年前、犬の散歩をしている時に建設中の鴻巣まきば園を知りました。まきば園はみんな明るいってことと、特に名刺が可愛いのが印象に残っていたし、自分の力を試したい、地元で働きたいという気持ちもあったので転職を意識するようになりました。前の職場には管理職として長くお世話になっていたのですが、退職の数か月前に理事長と園長が来てくれて、当時の施設長と話をしてくれたんです。その様子を部屋の小窓から覗いたのを今でも覚えているし、恩に感じています。

新人研修では、森さんがパワーポイントを使って発表していることにすごく驚きました。年功序列の組織が多い中で、こんなに若い女性が主任で、しかもパワポを使って上手にプレゼンしてるなんて!って。俺できるのかなって不安にもなりましたが、そんな不安にとらわれる暇もないくらい目まぐるしい数か月でした。

 

ケアマネジャーとして働く中で、何かポリシーはありますか?

昔から、自分が楽しいと思うより、自分が何かやることで周りが喜んでくれる方が嬉しいと思うタイプで、いろいろな資格を取ったのも、お客様やスタッフの役に立ちたいからという気持ちが大きいです。「現状維持は退化」、何かしら成長していきたいと思っています。まきば園という組織から必要とされる人材で居続けたいです。

また、お客様とお別れする時には、絶対泣かないようにしようと思っています。泣いちゃうってのは後悔があるから。お別れの時に泣かなくていいように、今できることを一生懸命やりたいと思うんです。ケアマネになったばかりのころに、やむを得ない事情で老健への入居をご案内した男性がいらっしゃいました。本人はすごく嫌だったのだけど、家族もどうしようもできなくて、仕方なく入居を決めました。初日に会いに行ったら、今までありがとう、おれは大丈夫だよと言ってくれて、安心したのもつかの間、次の日に亡くなられました。その出来事はすごく印象に残っていて、お客様の今をちゃんとしてあげないといけないと、戒めとして覚えています。その方とのお別れの時は、泣いちゃいましたね。

 

今後の目標はありますか?

仕事でというよりは、自分がこうありたいというものなのですが、人生で突然なにかアクシデントがあったとき、平常心でいられるような人間でいたいと思っています。いざっていう時に受け入れられる人間になりたい。それには人間力がないといけないですよね。武士の生きざまみたいなものに憧れています。同じ居宅ケアマネの小林くんに「武士はそうじゃないだろ?」って注意するんですが、「ぼくは武士じゃないのでわかりません!」ってよく怒られます(笑)

 

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この記事は2020年3月発行の「まきばNEWS 4号」より転載しています。